2018年10月14日、京都競馬場でG1第23回秋華賞(芝2000)が行われ、1番人気に応えてアーモンドアイが優勝しました。
秋華賞の優勝で、アーモンドアイは2012年のジェンティルドンナ以来の牝馬三冠(桜花賞、優駿牝馬、秋華賞)を達成!
鞍上のクリストフ・ルメール騎手は昨年のディアドラに続き、秋華賞を連覇。管理する国枝栄調教師は2010年に同じく牝馬三冠を達成したアパパネ以来の戴冠となりました。
アーモンドアイの次走ですが、東京競馬場で行われているG1ジャパンカップ(芝2400)が予定されています。
異例とも言えるアーモンドアイ牝馬三冠という成績!
アーモンドアイの牝馬三冠は過去のものと照らし合わせても常識外れなものでした。牝馬クラシックは王道のローテーションが決まっており「春は3月のチューリップ賞で始動し4月の桜花賞、5月の優駿牝馬を使う。
秋は9月のローズSあるいは紫苑Sで始動し10月の秋華賞を使う。
このローテーションを使ってきた馬が圧倒的に有利と言われてきました。
しかしアーモンドアイは、春は1月のシンザン記念を制した後に放牧へ出たのです。
その後トライアルレースを使わずに、桜花賞へ直行し優勝し、さらに優駿牝馬に出走し難なく二冠を達成しました。
秋はローズS、紫苑Sを使わずに秋華賞へ直行し、見事三冠を達成しています。
過去の三冠牝馬と比較しても今までの王道を突き崩したという点で異例と言っていいでしょう。
トライアルレースを使わず制した桜花賞
牝馬三冠の一冠目、4月に開催されるG1桜花賞。アーモンドアイは異例とも言えるローテーションで桜花賞を制しました。
桜花賞に向けたトライアルレースとして3月にチューリップ賞、フィリーズレビュー、アネモネステークスが行われていますが、過去の実績からはチューリップ賞を使ってきた馬が本番で圧倒的な強さを誇っています。
実際に桜花賞の単勝オッズも、1番人気は前年の最優秀2歳牝馬でチューリップ賞を制した松永幹夫厩舎のラッキーライラックでした。
アーモンドアイはレースにいくと一生懸命走りすぎてしまう側面があること、休み明けでもパフォーマンスが落ちないことが考慮されて、1月のシンザン記念からの直行という選択が取られました。
ラッキーライラックとも未対戦だったこともあり、単勝は2番人気!
もともとゲートはあまり上手なほうではなく、スタートしてからは後方待機。
しかし圧巻だったのは最後の直線に向いてからです。
抜群の手ごたえで鞍上の指示を受けて加速し、横綱相撲で直線抜け出したラッキーライラックを並ぶ間もなく交わしての戴冠でした。
一転して先行策で制した優駿牝馬
牝馬三冠の二冠目、5月に開催されるG1優駿牝馬。アーモンドアイは最後方から追い込んで勝利した桜花賞から一転、優駿牝馬では先行策で好位からの抜け出しで完勝。
新馬から一貫して後方からの競馬をしていた馬が、いきなり大舞台で戦法を変えるのは勇気がいることです。
しかし鞍上の指示に応え、先行策から見事抜け出して勝利してしまいました。
優駿牝馬で3着以内に入った馬が桜花賞と同じだったこともあり、アーモンドアイという馬の能力が同世代の牝馬の中で抜きん出ているということを改めまして証明した形となりました。
一人舞台となった秋華賞
牝馬三冠の三冠目、10月に開催されるG1秋華賞。秋のトライアルレース、ローズS、紫苑Sをアーモンドアイの主戦であるルメールの騎乗馬が勝利。トライアルレースの勝利騎手インタビューで「アーモンドアイは特別だから…。」と語っていた通り、秋華賞はアーモンドアイが特別な能力の持ち主であることを証明する結果となりました。
秋華賞が行われる京都の芝2000というコースは内回りであるため、内を立ち回る馬、先行する馬が有利と言われています。
実際2着に残ったミッキーチャームはそのセオリー通りの完璧な騎乗でした。
しかしアーモンドアイはそのミッキーチャームを、大外を回して並ぶ間もなく交わしてしまいました。
もう同世代に敵う牝馬はいない!そう思わせるに十分な勝利でした。
まとめ!
今までの常識を覆しながら、競馬ファンに強烈なインパクトを与え続けているアーモンドアイ。彼女はいわば新時代の三冠牝馬なのかもしれません。次走に予定されているジャパンカップをも制することがあれば、来年はドバイ国際競争や凱旋門賞などの海外の大レースも目標に入ってくることでしょう。
彼女の名の由来であるそのアーモンドのような瞳が見据える先はどこなのか。今後の活躍に注目したいと思います。